babooconの雑記

東京都在住、アラサー個人投資家のつれづれ日記。

2008年版バフェットの手紙(4)-2

ウォーレン・バフェット氏が書いたバークシャー株主への手紙、その翻訳記事の続きです。


(原文はこちら→2008年版会長の手紙


前回はバークシャーの規制公益事業についての章の前半部分を紹介しました。


今回紹介するのはその後半部分ですが、近年の企業買収分野についてのコメントとバークシャーの目指す所についてが主なテーマになっています。


それでは、どうぞ。


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 当社が長く公言してきた目標は企業に――とりわけ家族によって創りあげられ、所有されている企業に「選ばれる買い手」になることです。この目標を達成する方法は、それに尽くすことです。その意味はつまり、私達は約束を守らねばならず、買収した企業にレバレッジをかけることを避け、当社傘下の経営者達に普通ではありえない自由度を与え、そして買収した企業を、儲かっている時も儲かっていない時も(儲かっていて、どんどん儲かる方が好ましいですが)保有し続ける、ということです。


 当社の記録は私達の隠喩に合致しています。しかしながら、私達と競合する企業買収者のほとんどは異なった道を選んでいます。彼らにとっては、企業買収は「商品」なのです。買収契約書のインクが乾く前に、その買収の担い手達は「出口戦略」を考え始めています。それゆえに当社は、自分達の会社の将来を本当に気にかけている売り手に出会った時、決定的な優位性を持っているのです。


 数年前には当社の競合者は「レバレッジド・バイアウト・オペレーター」として知られていました。しかしLBOは評判の悪い名前になってしまいました。そこでオーウェル的(全体主義的)な装いで、バイアウトを行う会社はその名前を変えることにしました。しかし彼らが変えなかったことは、彼らにだけうまみのある報酬構造やレバレッジの乱用など、以前の活動の中核的な要素でした。


 その新しい名前は「プライベート・エクイティ」になりましたが、それは事実とはまるっきり逆さまの名前でした。これらの会社による買収はほぼ例外なく被買収企業の資本構造に株主資本が占める割合の、買収以前の状態と比較して劇的な減少を招く結果になりました。ほんの2、3年前に買収されたこれらの被買収企業の多くは、プライベート・エクイティなる買い手によって積み上げられた負債によって今や生死の危機に瀕しています。銀行からの負債の多くは額面の70%より下の価格になっており、一般からの負債は更に大きく値下がりしています。これは言っておくべきですが、プライベート・エクイティ達は自分達が買った会社に今や喉から手が出るほど必要になっている資本を急いで注入しようとはしませんでした。その代わりに、彼らは残っている手元資金をまさにプライベートに保持し続けたのです。


 規制された公益事業の分野には家族所有の大きな企業はありません。ここでは、バークシャーは規制監督者に「選ばれる買い手」になりたいと望んでいます。買収取引が宣言されたときに、買収者の適合性を判定するのは会社を売却しようとしている株主ではなく、規制監督者だからです。


 買収者が規制監督者の前に立った時、その過去の所業を隠し立てすることは出来ません。彼らは買収者が事業を行っている他の州から証人を召喚し、その会社の全ての側面に関してどのような振る舞いをしていたかを、十分な株主資本をコミットする意志があるかということも含めて訊ねることが出来、そして実際にそうするのです。


 ミッドアメリカン社が2005年にパシフィコープの買収を宣言した時、私達が事業を行うことになる6つの州の規制監督者は速やかに私達のアイオワ州での記録を点検しました。彼らはまた、慎重に私達の資金調達計画と許容能力を評価しました。私達はこの試験に合格しました。そしてこの先にあるだろう試験にも同様に合格することを期待しています。


 私達の自信には2つの理由があります。1つ目は、デーブ・ソコルとグレッグ・アベルは彼らが携わるどの会社においても第一級のやり方で経営するだろうからです。彼らはそれ以外の経営の方法を知りません。それにも増して、私達は将来さらに規制された公益事業会社を買収したいと望んでおり――そして当社が今日活動を行っている管轄区内での事業上の振る舞いが明日の新しい管轄区での歓迎される度合いを決定することを私達は知っているという事実があるからです。



アメリカの企業買収ブームの主要なプレイヤーは1980年代頃のジャンク・ボンドを用いたものから、
上の記事で述べられているLBO、そしてプライベート・エクイティと呼び名こそ変わってきているものの、
基本的にはその中身(買収した企業に過度のレバレッジをかけて高値で転売するなど)は変わっていない様ですね・・・。


バークシャーの買収戦略はそれとは一線を画す、というのはずっと以前から変わっていないことですが、
規制公益事業の分野で更なる買収を目指すためには、既存の事業を行なっている地域で品行方正でなくてはならないし、実際にそうしてきているのだ、と述べています。

「新聞の一面をかざっても家族や友人に対して恥ずかしくない行動をして下さい」
というバフェット氏の行動規範が、こんな所にも現れている様です。


この章はこれで終わりです。次は保険事業部門についての章になります。


(続く)