『バフェット・コード』

今週発売されたばかりのいわゆる「バフェット本」の最新刊です。
著者は「フィッシャーの『超』成長株投資―普通株で普通でない利益を得るために」の共訳者である、荒井拓也氏。
世の中に「バフェット本」は数多あれど、翻訳本ではない日本人によるバフェットをメインテーマにした著書は少なく、これまでに出版されている僕の知る限りでは三原淳雄氏の「お金持ちになるためのバフェット入門」、牧野洋氏の最強の投資家バフェット(旧版題:バフェット―「米国株式会社を動かす男」)の2人の著作しかありません(他に2種類ほど、マンガ本が出版されてはいますが)。
内容ですが、前半部分ではバフェットがバークシャーの会長として株主宛に手紙を書き始めた1977年から現在までのバークシャーのポートフォリオ(毎年の手紙の中で公開されている)の動きを追いながら、バフェットが投資判断を行なう上でどのようなことを考えていたのか、ということを解き明かしています。
後半では「バフェット・システム」「バフェット・コード」と題して、バフェット流投資の全体像をひも解くと同時に、バフェット流を真似ようとする一般投資家が陥りがちな罠を指摘しています。そしてまとめとして、バフェット流投資判断の決め手をシンプルな一つの式に集約しています。
~~読後の感想~~
また、後半部分では筆者がバフェット流投資の唯一の公式として「バフェット・コード」、「バフェット数式」なる概念を展開しています。
そして従来のバフェット本で断片的にしか取り上げられて来なかった投資先の「ブランド力」、「競争優位性を維持するための堀」、「ROE」、「優れた経営陣」、「成長力」、「財務力」といったあらゆるファクターを考慮することで、将来キャッシュフローの見積もり精度を上げリスクを排除し、それをたった一つの「バリュー方程式」にまとめている、と筆者は述べています。
特に後半部分に関しては色々賛否両論分かれる内容かも知れません。
しかし時として一つの側面のみがクローズアップされ、誤って解釈されがちなバフェットの投資手法を多面的にとらえながらも、これ以上ないほどのシンプルな一つの式にまとめようとする試みは、面白いと思いました。
また、バフェット・コードはその適用においては非常にプライベートなものであり、バフェットにとってある銘柄がバフェット・コードにあてはまるものでも、他の人には必ずしもあてはまるとは限らないと筆者は述べています。だから、バフェット流投資に学ぼうとするなら自分の「バフェット数列」を探す必要がある、と述べているのは共感できました。
本の帯に書かれている「投資上級者必携の”バイブル”」というのは少々大げさかも知れませんが(笑)、他の様々なバフェット本を読んだ後で読むと、この本のシンプルすぎる(※簡単ではありませんが)結論にスッキリ出来るかも知れません。