babooconの雑記

東京都在住、アラサー個人投資家のつれづれ日記。

2008年版バフェットの手紙(1)

2月28日に、バークシャー・ハザウェイのアニュアルレポートと
バフェットが株主にあてて毎年書いている「会長の手紙」が公開されました。






バークシャーのホームページ上で公開されている手紙は全て読んでみましたが、
一般人には難解なこともあるはずの様々な投資案件や事業概況を分かりやすく、
時にはユーモアを交えながら語りかけてくるバフェット氏の手紙は、一読の価値はあると思います。


そこで、今年のバフェットの手紙の全訳に挑戦してみたいと思います。


かなりの長文になってしまう為、複数回に分けて記事にしていきます。

日本語訳が冗長で分かりづらい箇所も多々あるかと思いますが、どうかご容赦下さい。


それでは、どうぞ。



バークシャー・ハザウェイの株主の皆様へ:

 2008年中の当社の純資産の減少額は115億ドルとなり、それによって当社のクラスA株式とクラスB株式の両方の1株当たり簿価は9.6%減少しました。過去44年間で(すなわち、現在の経営陣が経営権を取得して以来)、1株当たり簿価は19ドルから70,530ドルまで増加し、年複利20.3%で成長したことになります。


 前のページの表は(訳注:「会長の手紙」の1ページ目参照)過去44年間のバークシャーの簿価、及びS&P500種指数のパフォーマンスを記録したものですが、この表は両者にとって2008年は最悪の年であったことを示しています。この期間は企業発行債券や地方自治体発行の債券、不動産やコモディティにとっても同様に悲惨な時期でした。年末まで、どんな対象への投資家も血まみれ混乱しており、まるでそれはバドミントンの試合の最中に迷い込んだ小鳥のようなものでした。


 年が進行するにつれ、世界に名を轟かせていた巨大金融機関の多くの存続が危ぶまれる問題が次々と明らかになっていきました。この問題は信用市場の機能不全を招き、その中でも重要な部分はすぐに機能停止に陥りました。国中の合言葉は私が若い頃にレストランの壁で見た次のような信条になりました。「我々は神を信じている。そうでない人達は全員、お金を払ってくれ。」


 第4四半期までに、信用危機は住宅と株式の価格の暴落も伴って、国中を飲み込む、人々を呆然と立ち竦ませるような恐怖を生み出しました。企業活動の急激な落ち込みが、私も未だかつて体験したことのない加速度で生じました。米国――そして世界の大部分の国々――は強烈な負の方向へのサイクルに陥ってしまいました。恐怖が商取引を先導し、そしてそれが更に大きな恐怖を招いたのです。


 この負のスバイラルにより、政府は大きな行動に出ることを余儀なくされました。ポーカー用語で言えば、財務省連邦準備制度理事会は「オール・イン」になっています。以前にはカップ1杯分で足りていた経済上の治療薬は最近では樽1杯分も処方されています。このかつては考えられなかった処方量はほぼ確実に望ましくない副作用をもたらすでしょう。その正確な作用は推測の域を出ませんが、あり得そうな結果の一つとしてはインフレの急進が挙げられます。さらに、主要な産業群は政府の補助に依存してきていますが、その後には頭を抱えてしまうような要求をひっさげた市や州が続くことになるでしょう。これらの法人・行政体を公共の乳首から引き離すことは政治的な挑戦になるでしょう。それらは自らすすんで離れようとはしないでしょう。


 負の側面が何であれ、金融システムの完全な崩壊を避けようとするならば、昨年の政府による強力かつ迅速な行動は不可欠なものでした。もしそれが起こっていれば、私達の経済全域にもたらされる結果は想像を絶する悲惨なものとなっていたでしょう。好むと好まざるとに関わらず、アメリカのウォール街、中心街、そして横通りの住人達は皆、同じボートに乗っていたのです。


 しかしこの悪いニュースはともかく、私達の国は過去、さらに悪い災厄に直面してきたことを忘れないで下さい。20世紀の間だけみても、私達は2つの大戦(そのうちの1つは初めの頃、負けそうになっていました)、1ダースあまりもの金融パニックと景気後退、1980年にはプライム・レートが21.5%にまでなった凄まじいインフレーション、そして失業率が何年もの間15%から25%の間で推移した1930年代の大恐慌、に遭ってきました。アメリカは挑戦という点において一切の不足はなかったのです。


 しかし例外なく、私達はそれらを乗り越えてきました。それらの――そしてその他多くの――困難に直面しながら、アメリカ人の実質的な生活水準は1900年代の間に7倍近くも向上し、その間にダウ工業平均株価は66ポイントから11,497ポイントまで上昇しました。この期間の記録を、人類の生活水準という点では、たとえあったにしてもごくわずかな向上しか得られなかった何ダースもの世紀と比較してみてください。その道のりは平らではなかったものの、私達の経済システムはこの期間、極めて上手く機能してきたのです。それは他のどのシステムもなしえなかったほど、人類の潜在能力を解放してきており、そしてこれからもそれは継続するでしょう。アメリカの最高の時代は目の前に広がっています。


 2ページの44年間の成績表をもう一度見てみましょう。これらの年度の75%において、S&Pの株式は上昇を記録しました。私はこの先44年間においても、おおよそ近い割合の年度において上昇を記録するのではないかと推測します。しかし、バークシャーを運営する上でのパートナーであるチャーリー・マンガーも私も、株価が上昇する年と下落する年を前もって言い当てることは出来ません(我々のいつもの客観的な視点からみれば、他の誰一人としてそれが出来るとは思いません)。たとえば、私達は経済が2009年を通じて沈降するだろうと確信を持って言えますし――そしてこの点に限れば、恐らくそれ以後もさらにそうなるでしょう――しかし、その結論は私達に株式市場が上がるか下がるかといったことは教えてくれないのです。


 良い年も悪い年も、チャーリーと私は以下の4つの目標に焦点を合わせています。
(1) 巨額の余剰流動性、わずかな短期債務、何ダースもの利益および現金の発生源を有していることから形成されるバークシャージブラルタル(難攻不落の要塞)の様な財務力を維持すること

(2) 当社の事業子会社群に持続的な競争優位性をもたらす、「堀」を広げること

(3) 新しい、そして様々な収益源を獲得、発展させていくこと

(4) 何年もの間バークシャーに並外れた結果をもたらしてきた、傑出した事業経営者達の集団を育成し、拡大していくこと

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※この報告書の中で用いられている1株あたりの数値は全てバークシャーA株に適用されるものである。B株についての数値はA株についての数値の1/30である。


最初の段落は以上です。

さすがのバフェット率いるバークシャーも、昨年は当期利益、純資産とも落ち込んでしまいました。

この段落では厳しい状況を直視しながらも、過去にもアメリカは同じかそれ以上の困難を乗り越えてきたと、読む人を元気づける言葉を述べています。


まだまだ先は長いですが、お付き合い下さい。(続く)