babooconの雑記

東京都在住、アラサー個人投資家のつれづれ日記。

「米国株を買いなさい。私は買っている。」 by ウォーレン・バフェット

昨年、株式市場が暴落する最中の10月にウォーレン・バフェットニューヨーク・タイムズ紙に寄稿した文章です。



著名投資家のタイムリーな記事で、読まれた方も多かったと思います。

その時に翻訳記事を書こうかと思ったんですが、ちょっと気が引けて書かず終いでした。

でもそれから4ヶ月が経ち、経済の悪化が更に鮮明になって来た今だからこそあえてもう一度読んでみる価値があると思い、記事にしてみました。

一つの記事にするには少々長いですが、どうぞ。




米国株を買いなさい。私は買っている。



金融の世界はアメリカ国内でも海外でも大混乱に陥っています。

更に、その問題は経済全体にも漏れ出してきており、そしてその漏出は今や噴出に変わりつつあります。

短期的には失業者数は増加し、企業活動は不安定になり、恐ろしい文面が見出しを飾る日が続くでしょう。



それゆえ・・・私はこの所、米国株を買っています。

私が述べているのは私自身の個人口座についてであり、そこでは以前はアメリカ合衆国債券しか保有していませんでした
(この記述は私の保有するバークシャー・ハザウェイ株式は考慮に入れていません。そしてそれは全て慈善事業に寄付されることになっています)。

もしこのまま魅力的に思われる株価水準が続くならば、私のバークシャー株以外の純資産はすぐに米国株式が100%を占めることになるでしょう。



何故か、ですって?



私の購入基準は単純です。即ち、他者が貪欲になっている時には恐れを抱き、他者が恐れをなしている時には貪欲になれ、です。

そしてほぼ間違いなく、恐れは今や広範囲に広がっており、熟練した投資家までをも支配しています。

もちろん、投資家が非常にレバレッジをかけた企業や競争力の弱い企業に対して用心深くなっているのは正しいでしょう。

しかし我が国の多くの健全な企業群の長期的な繁栄に関して恐れをなすのは道理に適っていません。

これらの企業達は確かに、これまで何度もそうだった様に、収益の低落に苦しむことでしょう。

しかしほとんどの主要な企業は今から5年か10年か、20年後には新たな最高益を上げることになるでしょう。



一点だけはっきり申し上げさせて下さい。私は株式市場の短期的な動きを予言することは出来ません。

私は今から一ヶ月後、あるいは一年後に株価が上がるか下がるかどうか、といった考えはほんのわずかばかりも持っていません。

しかしながら、有り得そうなことといえば、株式市場は世論または実体経済のいずれかが上向きになるよりかなり前に、恐らく相当上昇しているだろうということです。

ですから、コマドリを待っていたら、春は過ぎ去ってしまうのです。




ここで歴史を少し振り返ってみましょう。

大恐慌の最中、ダウは1932年7月8日に最安値の41ポイントをつけました。

けれど、経済状況は、フランクリン・D・ルーズベルトが大統領に就任した1933年3月まで悪化を続けました。

その時までに、株式市場は既に30%も上昇していました。

また、欧州と太平洋において、合衆国にとって事態が悪化の一途を辿っていた第2次世界大戦の初期を思い返してみてください。

株式市場は1942年4月に底を打ちましたが、それは連合軍が劣勢を挽回するよりずっと前のことでした。

更に、1980年代の初め、株の買い時はインフレが猛威を奮い、経済状態が最悪の時でした。

要約すれば、悪いニュースは投資家にとって最良の友なのです。

悪いニュースはあなたにアメリカの富の一部をバーゲン価格で買う機会を提供してくれるのです。



長い目で見れば、株式市場のニュースは良いものになるでしょう。

20世紀の間、アメリカ合衆国は2つの世界大戦、そしてその他の忘れることの出来ない、かつ大きな代償を払うことになった軍事衝突、大恐慌、1ダースに及ぶ景気後退と金融パニック、
石油ショック、インフルエンザの流行、そして大統領の失脚による辞任を耐え抜いてきました。

それでもダウは66ポイントから11,497ポイントまで上昇したのです。

そのような並外れた株価上昇を記録した1世紀の間、投資家が損をすることなど不可能だっただろう、と思われるかも知れません。

しかし投資家の中には損をした者もいました。その不運な人達は株を安心して買える時にだけ買い、新聞の見出しが彼らを不安にさせる様な時に売り始めたのです。



今日、現金を保有している人々は安心感を得ていることでしょう。それは違います。

彼らは長期的に見て悲惨な資産、実質的に何も得られず、価値が目減りしていくことが確実な資産を選択しているのです。

まったく、政府が現在の危機を軽減する為に行う政策は恐らくインフレを引き起こし、それゆえに現金の実質的価値が減少するのを加速させることになるでしょう。




株式は今後10年間、現金をほぼ確実に、恐らくかなりの程度、アウトパフォームすることになるでしょう。

今現金にしがみついている投資家は、後で効率よく株を買っていけることに賭けているのでしょう。

良いニュースで安心出来るのを待っているのであれば、彼らはウェイン・グレツキー(往年の名アイスホッケー選手)のアドバイスを無視しています。

「私はパックがこれから向かうであろう場所を目がけて滑って行くんだ。今までパックがあった場所に行くわけじゃないよ。」



私は株式市場について意見を述べるのは嫌いですし、株式市場が短期的にどう動くのかについてはさっぱり分からないこととを強調しておきます。

それにもかかわらず、私は以前銀行が入っていた建物に開店したレストランに倣って宣伝をしています。

「あなたのお金があった場所に口を持って来い。」

今は、私のお金も口も両方、株がいいと言っています。



ウォーレン・E・バフェットは多種多様に分散された持株会社であるバークシャー・ハザウェイ社の最高経営責任者である。




バフェット氏の言っていることの根本は10年、20年前、30年前から変わっていません。

現在の経済状況は悪化の一途を辿り、先行きは全く見えず、悲観論が国中、世界中を覆っています。

それでも遅かれ早かれ経済は持ち直し、それにかなり先んじて株式市場は持ち直す。

安心できるニュースを待ってから買おうとしていたんじゃ間に合わない。

だから、"Be fearful when others are greedy, and be greedy when others are fearful." という訳です。



もちろん、当面の実体経済は相当厳しいものになると覚悟はしています。



最悪の事態としては、国家破綻?それとも・・・戦争勃発?


この先どうなるかは僕などには露ほども分かりません。


それでも、市民として、労働者として、投資家としてやるべきことを考え、やっていくしかないのではないかなと思います。