babooconの雑記

東京都在住、アラサー個人投資家のつれづれ日記。

The Midas Touch (ジョン・トレイン著)

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昨日、最初に注文してから3ヶ月近く待っていた本を、ようやく手に取ることが出来ました。

アマゾンで予約していた所、なんと3回も配送予定日が延期になり、あきれ果ててマーケットプレイスで注文し直したらあっという間に届いた上に400円も安かったというオチw


書籍のタイトルは「The Midas Touch」

"Midas touch"とはギリシア神話の中で触った手を全て黄金に変えるという願いを叶えてもらったというミダス王の伝説にちなんで、「金儲けの才能」を意味する言葉です。


上の写真のサブタイトルを見てもらうと分かるとおり、また性懲りもなくバフェット本です(笑)


著者はマネーマスターズ列伝の著者でもある、ジョン・トレイン氏です。

しかし、この「The Midas Touch」の方はどういうわけかこれまで翻訳本が出ていないため、日本ではほとんど知られていないと思います。

僕がこの本を知ったのは、以前紹介したジェフ・マシューズ氏「バフェットの株主総会」の著者)のブログ、Jeff Mathews Is Not Making This Upの記事の中で触れられていたからです。

今年5月21日付のマシューズ氏の記事より同書について触れた部分を引用すると、

"…John Train's 1987 Buffett book “The Midas Touch”— possibly the first and still one of the best of the dozens of “How Warren Buffett Does It”-style books out there."

この本の初版は、後に「バフェット銘柄」の代名詞になるコカ・コーラ株を買うよりも前に出版された、恐らく最初の「バフェット流投資」について書かれた本だということです。


内容については特に目新しいことはないと思いつつも最も初期の「バフェット本」というのに興味をそそられ、調べてみたところ、ちょうど今年の6月に新版が出版されるというので、すぐに予約、購入に踏み切りました。



まだパラパラとめくってみたばかりですが、2009年版には著者ジョン・トレイン氏の前書きが新たに付け加わっているようです。

この手の本の著者としては意外にも、前書きの中でトレイン氏はバフェット氏を褒めちぎるばかりではなく、割と冷めた目で観察しているようです。

以下、特に辛らつだな~と印象に残った、前書きの中の一文――

There is no corresponding event to the "Woodstock for Capitalists" for the sellers of the stocks he bought at bargain prices, and the work of the Gates Foundation may not be more useful than anything the sellers themselves would have done with the money, nor more usefull than the projects the government might have funded with the taxes it now won't collect.

(意訳:バフェットやバークシャーの株主が大金持ちになる陰には、バークシャーにバーゲン価格で株を売ってしまい泣きをみた人達がいたわけだし、バフェットの寄付によるゲイツ財団の活動よりも、そのような人達が最初から自分達のためにお金を使っているか、バフェットがバークシャー株を寄付していなければ政府が徴収していたであろう相続税で何らかの計画の財源に充てていた方がよほどマシだっただろう。)


この様な著者の語り口はひょっとすると、この本のタイトルにもなっているミダス王のように、金欲に目がくらむ余りにその他の大事なことを全て失ってしまいかねない危うさを戒めているのかも知れないと感じました。