babooconの雑記

東京都在住、アラサー個人投資家のつれづれ日記。

坂本光司先生の講演会

今日は鎌倉に行ってきました。

目的は、以前このブログの記事でも取り上げた「日本でいちばん大切にしたい会社」の著者、坂本光司先生の講演を聴くためです。

鎌倉投信という会社と坂本先生が教授を務める法政大学大学院が主催する、”第1回『人』をテーマにお届けするコミュニティ・フォーラム 『人』をほんとうに幸せにする会社、その真髄に迫る”と題したセミナーです。

坂本先生のお話は一度聴いてみたいと思っていたので、今回のセミナーは願ってもない機会でした。

また、それだけでなく主催者の鎌倉投信という会社もなかなか面白そうな会社だということで(下記に同社HPのリンクを貼っておきます)、その辺りも楽しみに参加してきました。



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鎌倉駅からほど近い市役所の向かいにある商工会議所の地下ホールに150名ほどの参加者が集まっていました。


参加者は結構幅広く、年配の方もいれば30~40代の方も結構多くいらっしゃる様でした。
講演の中で触れられたのですが、参加者の方たちは中小企業の経営者の方が多くいらっしゃっていたようで、20代ヒラサラリーマンに過ぎない僕が参加しても良かったのかと内心ドキドキしました(笑)


予定より10分ほど遅れて開会され、始めに鎌倉投信創業者で代表取締役の鎌田恭幸氏が「企業は何のために存在するのか」というテーマで講演されました。

昨今の金融危機後、一番サブプライムローンの被曝が小さかったはずの日本経済の落ち込みが最もひどかったのは、外需依存度の高さといった点ばかりでなく、日本の大企業がサラリーマン化している(横並びになり、同時にアクセル・急ブレーキを踏む)からではないか、そして資本主義の利益の源泉が従来の資本主義のそれから変化しつつあり、差別化が出来なくなってと利益を上げにくくなっているためではないか、という分析を述べられていました。

また投資家のあり方についても、経済的な利益を得るだけではなく、直接あるいは機関投資家を通じて企業に資金を投ずることで企業活動を通してよりよい社会形成に貢献し、その便益や精神的満足を得ることも投資の大きな目的ではないか、といった主張もされていました。

そして鎌倉投信の3つの軸として「人」、「共生」、「匠」を挙げ、個人投資家の資産形成に資するとともに社会貢献する金融と投資のあり方を実現していきたいという主旨のことを語られていました。



鎌田氏の講演に続いて、坂本先生が基調講演を行なわれました。

「日本でいちばん~」の出版後の反響の大きさや同書を書くきっかけとなった出来事、同書でも登場する日本理化学工業ファンケルスマイル、その他にも浜松の農業法人・京丸園という会社や富士市のめっき工場など、障がい者や高齢者の積極的雇用を行なう企業に関するエピソード、今年1月に静岡県内だけで19:00~20:00のゴールデンタイムを借り切って同書の内容をドラマ化したエピソード、などを語られました。

また個人的に最も印象深かったお話は、坂本先生ご自身のこれまでの経歴にまつわるものでした。
坂本先生は最初から大学で研究をされていたわけではなく、約15年間は民間(いや、役所の出先とおっしゃられていたかな・・・?)で働かれ、その間に書かれた著書が認められて大学に講師として招かれたそうです。

ところが、その年に大学の理事会に参加した際に研究費(書籍代)の割り振りで教授など上の者ほど多く、講師や助手など若くてより勉強すべき者にほとんど割当てられないことに憤り、この悪習を変えるためにたった数年で教授に昇り詰めて実際に変えてしまったそうです。講師や助手達には感謝されたそうですが、「落下傘」でやって来て教授になってしまったのをよく思わないからとその大学はさっさと辞めてしまったということです。

またその後に招かれた大学では、任期制で2,3年したら切られてしまうため研究者のモチベーションが低いことに憤り、これも2年で自分のクビと引き換えに廃止してしまったそうです。

坂本先生は「社員が活き活きと働けないで、顧客を感動させ、満足させられるわけがない」「変わるべきはリーダーである」「人として正しいことをしろ」という意味のことを講演中、何度もおっしゃっていました。

これは坂本先生ご自身の体験に基づいた言葉であり、企業に限らず上の話の様に大学やその他あらゆる組織に当てはまる言葉だと思います。



何だか、拙い文章でうまくまとめきれていませんが、坂本先生と鎌田氏の、企業と人と投資に関する理想を熱く語った主張には強く共感し、感銘を受けました。と同時に、まだまだ自己の利益しか考えられていない自分の未熟さを痛感し、変わっていかなければと思いました。